こんにちは。講師を育成して早や40年！コミュニケーション講師の今井尻由利子です。
わかりやすく納得度の高い研修には具体例の出し方が非常に大切です。
「どういう風に伝えるとわかりやすいかなあ」「どんな具体例がいいかなあ」とよく考えます。
そんなときヒントになるのが、映画やドラマです。私は海外ドラマが大好きで、いつも勝手気ままに考察しています。
そんな私が見つけた、広い意味で人材育成に関するドラマの場面を、私なりの考察を加え楽しくお伝えしています。
ドラマに興味を持ったり、違う視点で再度観たり、研修の具体例として少し工夫して使えそうなど…そのようなアプローチで関心を持っていただけると嬉しいです😊
今回は韓国ドラマ「ミセン-未生-」から、社員採用試験のプレゼンシーンでの気づきです。
「ミセン-未生-」は大好きすぎて倒れてしまいそうなくらい（笑）のドラマです。このドラマには多くの名言、感動シーンが散りばめられていますね✨
台本を「自分の言葉」として伝えること
まずは「ミセン-未生-」のストーリーを非常にざっくりと・・・
プロ棋士を目指していたけれど、結局プロになれず、知人のコネで大手商社にインターン採用されたチャン・グレ。
学歴なし、社会人経験なしのチャン・グレが、囲碁で培った鋭い勝負感覚と持ち前の粘り強さと努力によって、サラリーマン生活を頑張るというドラマです。
エピソード4は社員採用試験のためのプレゼンシーンがほとんどなのですが、ここで私の心に留まったのは、主人公チャン・グレと同期の、チャン・ベッキのプレゼンシーンです。
チャン・ベッキはソウル大学卒業（日本で言うと東大卒）のエリートです。
プレゼンが得意で資料も完璧。堂々と説明し、立て板に水のように 進行していきます。
審査をしている現場の管理職からも称賛されます。
「定石どおりのプレゼンね」「とてもわかりやすいし論理的だわ」
しかしひとりの課長からはこんな感想が…
「確かに上手だが頭にしか響かない」
「胸に響かないと物は売れない」
このシーンを観ていると、講師も同じだなあと思うのです。
研修の台本（講義内容）を覚えて、アナウンサーのように原稿を読んでいるだけのような講義では、まったく 説得力がありません。
感情移入し、自分の言葉として伝えることは大前提ですが、それだけではありません。
講義内容をしっかり覚えて説明することは大事ですが、講師は参加者の反応に応じて臨機応変に対応することが求められます。
たとえば
「不安そうな表情をしているな、テキストを見返しているし…もう少し具体例を続けてみよう」や「ホワイトボードの内容を書き写したけど理解できたかな…全体に問いかけてみよう」など
いろんな反応によって進行を変えていきます。これは参加者をしっかり観察していなければ出来ないことです。
相手主体のコミュニケーションと言えるかもしれません。
オンライン研修はリアルに比べると参加者の反応がわかりづらいので、問いかけを増やしたり、参加人数を限定したりなどの工夫が必要です。
講師が伝えている言葉は相手に伝わってこそ意味があります。
台本を覚えて伝えるだけでは、自分主体のコミュニケーションですね。
特に新人講師、デビューして間もない頃は、”まず覚える” “滞りなく進める” などに気持ちが入りすぎることがあります。要注意です。
「確かに上手だが頭にしか響かない」とは厳しいフィードバック。でも的確です。
（「ミセン-未生-」からの気づきは以下の記事でもご紹介しています。合わせてご覧ください。）
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
今回は「ミセン-未生-」から、私の心に留まったシーンをお伝えしました。
「確かに上手だが頭にしか響かない」「胸に響かないと物は売れない」と感想を述べたのは、主人公チャン・グレの上司となる営業３課の課長です。視聴者は予想はしているのですが…😊
「ミセン-未生-」には、ワーカーホリックだけれど、部下思いの課長が苦悩する姿も描かれています。これがまたよくわかるんですよね～。
このように、韓国ドラマからもたくさんの学びがあります！
もしご興味があれば、あなたも「ミセン-未生-」をご覧になってくださいね。オススメです！
最後まで読んでくださりありがとうございます😊
下記よりお気軽にお問い合わせください。
